人工膝関節置換術とは

■人工関節手術について

人工膝関節手術(人工膝関節全置換術:TKA)は1980年代になって世界的に広くおこなわれるようになりました。その後、人工膝関節に用いられる新素材の開発や手術方法の改良によって世界中で手術がおこなわれています。

●人工膝関節全置換術(TKA:Total Knee Arthroplasty)

人工膝関節全置換術とは、膝関節の関節面を人工のコンポーネントに取り換える手術です。大腿骨と下腿骨の関節面をチタンやコバルト・クロム合金などの強靭な金属で取り換え、下腿骨側にポリエチレン製のコンポーネントを装着します。
手術時間は1時間半程度です。膝の正面(お皿の上)約20cm程度縦に切開しますので、傷ができます(体格・手術前の骨の変形度合いにより、手術時間や皮膚切開の長さも微妙に異なります)。
参照:人工関節って何?(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社DePuy)

●人工膝関節(インプラント)の特徴

石井クリニックでは、LCS(Johnson & Johnson , DePuy 社製)の人工膝関節を採用しております。この機種は欧米やアジアで多く使用されている標準的な機種のひとつです。
当クリニックで使用している人工関節「LCS」

人工膝関節を入れた模型

人工膝関節を入れた模型
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社(DePuy)「人工関節はどんなものですか」より転載

人工膝関節は、生体材料(人間の体の中に入れてよいもの)であるコバルト・クロム合金、チタン合金、超高分子ポリエチレンで作られています。金属部品のかわりにセラミックを用いることもあります。
大腿骨、脛骨の破壊した関節面を切除して合金製の部品をはめ込みます。金属と金属が直接接触して傷がつき、細かい金属粉が出ないように金属と金属の間には超高分子ポリエチレンを挿入し、膝が滑らかに動くように工夫されています。

■人工膝関節手術の対象となる疾患

●変形性膝関節症・関節リウマチ

膝関節に痛みや運動制限などが生じる変形性膝関節症や関節リウマチが代表的疾患です。この疾患に対し、保存療法、投薬、注射やリハビリテーション(運動療法、理学療法)などの対症療法も実施されますが、保存療法をいくらおこなっても十分な効果が得られないときや、関節が高度に破壊されて膝の痛みが激しく、歩くのもままならないなど日常生活に大きな障害をきたす場合に最終治療手段として人工膝関節置換術がおこなわれます。
人工膝関節置換術をおこなう患者様のうち、変形性膝関節症と関節リウマチの患者様が全体の95%以上を占めています。これらの病気は男性よりも女性に4〜6倍多くみられ、人工膝関節置換術をおこなうのも、女性のほうが圧倒的に多くなっています。

変形性膝関節症
関節リウマチ

●人工膝関節の対象年齢

人工膝関節は30年耐用年数が証明されているものもございますが、現在のところ15〜20年程度といわれています。そのため人工膝関節を一生もたせるためには、平均寿命から考えて60〜65歳以上の患者様を対象とするのが望ましいと考えられます。
若い年齢で手術を受けると、入れ替えのため再度手術を受けなければならない場合もあります。しかし、関節リウマチなどで歩行が困難な場合は、人生の大切な年代にできるだけ豊かな生活を送れるように比較的若い人でも手術をおこなうことがあります。

*ご注意
本来、人工関節全置換手術は高齢の方を対象とした手術なので年齢に上限はありませんが、当クリニックでは「整形外科クリニック」という特徴から、術前に検査をおこない手術の可否を判断しております。重度の心疾患、糖尿病、あるいは重度の肝機能障害や腎機能障害があるために麻酔や手術に耐えられないと判断された場合には、当クリニックで人工関節全置換手術を受けていただくことができません。

*参考文献
・変形性膝関節症の知識:三笠製薬株式会社
・ジョンソン博士のやさしい医療講座(人工膝関節置換術):ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

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